第16話

席に行こうとした俺の腕を掴む千里


「……なん?」


思いっきり眉間に皺を寄せる


「…さっき…詩歌となんか話しよったじゃろ?…そんとき…なんかあったんじゃろ?」


掴まれた腕を離そうともがくのに、意外に力の強い千里から逃れることができない


「…お前には関係ないっちゃ…」


そうだ、もう誰にも…俺にも関係ないことだ


東京に行くんだ


デビューするために


憧れだったメジャーデビュー


夢が叶うかもしれない




詩歌と…会うことは…もう多分…ない…



アイツもそのつもりで言ったんだろうから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る