第5話

詩歌―――…まるで歌うために生まれてきたような名前


その名前とわりと可愛いビジュアルと声を千里が気に入り、華がほしいからという単純な理由で、メインボーカルだったはずの俺を無理やり押し退けて、バンドに誘ったことがきっかけで、同じクラスなのに一度も話したことがなかった俺と詩歌は親しくなった



といってもただの友達として、だけど





その詩歌が東京には行かないと言い出した



他のメンバー、ベースの千里はもちろん、ドラムの彰人、ギターの尚弘、そしてキーボードの俺(瞬)はもう半分気持ちが東京へと流れていたのに…



「詩歌、なんで?なんで降りるん」

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