第6話
「知っとるじゃろ?うちんとこの事情」
「お前ん家の?―――…ああ…」
メンバー全員で思わず顔を合わせる
「うちはここを出れん。じゃけえ、無理っちゃ。じゃけどアンタらは大丈夫なら行った方がええ、こんなチャンスめったにないんじゃけぇね」
「うちがおらんでもボーカルじゃったら瞬がおる」そう付け加えてから立ち上がった詩歌
「…詩歌…」
メンバー全員が項垂れた
紅一点の詩歌
俺達のアイドルみたいな存在だったから、詩歌が一緒に行かないことはみんなきっとショックだったに違いない
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