第2話

――――…六年前…


―――――――――



―――――…




「東京!?」


「東京って、あの東京?」


あのってどのだよ


「そうです。ここの寮で5人一緒に生活しながら基礎からレッスンをして、音楽を一から学んでもらいます」


思わずその場所が書かれた住所を確認する


確かにそこには東京都と書かれている


「マジ?マジですか?」


一応リーダー格の千里が、今日はかなり暑いはずなのに涼しい顔をして座っている紺色のスーツ姿の男に詰め寄る


「本当です。君達のデモテープを聴いて、是非一から育ててみたいと、うちのプロデューサーが」



男の言葉がいまいち信用できないのは、多分この話し方なのかもしれない


淡々と、言葉に感情がないような話しっぷり。どっか冷たい、冷めてる

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