第93話

「みおチャン、顔赤い。」



「えっ……、あ、ちょっと酔ったのかな?」



アタシは彼に気持ちを悟られないように誤魔化す。


拓実君はアタシのグラスを見た。



「ほとんど減ってないんだけど。もしかして熱があるんじゃないの?」



いや、それは。

はっきり言ってどっちの熱なのか分からないの。


微熱のせいなのか、


拓実君のせいなのか。



拓実君はまた額に触れてくる。


そんなに触れないで。



もっと、アタシ熱が上がってしまう。

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