第94話
拓実君はアタシの額から手を離すと、
「横になった方がいいよ、」
え……?
「昨日熱があったのに無理させたのかも。ゴメンね、気づかなくて。」
「だ、大丈夫だから!熱は下がったの。」
アタシは焦った。
楽しい時間を自分の熱で壊したくない。
少しなら我慢できるから。
そう言うアタシに拓実君は、
「大丈夫、帰したりしないから。少し休んだらいいよ。」
「拓実君……。」
彼はアタシを立たせると隣の部屋のドアを開けた。
そこには拓実君のベッドがあった。
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