第91話

拓実君はケーキをアタシの前に置く。

それはアタシの好きなストロベリーショートケーキ。



「わ……おいしそう。」



「全部食べていいよ、みおチャンのモノだからね。」



「でもホールは無理だよ。」



アタシはケーキを口にはこぶ。


大好きなショートケーキ。

拓実君が買って来てくれたと思うと美味しさは増しているような気がした。



拓実君はいつの間にかアタシの隣に座っていた。


彼は静かにシャンパンを飲んでいる。



「拓実君、ケーキ食べる?」



そう声を掛けると、



「じゃあ、みおチャン食べさせて。」



拓実君はアタシに近づいた。

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