第89話

「……綺麗。」



「ありがと、突っ立ってないで座って?」



拓実君はアタシをソファーに座らせるとキッチンに入っていった。



だからアタシはプレゼントを彼に渡しそびれてしまった。使ってもらえるか分からない手袋なんだけど……。




「みおチャン、シャンパン飲める?」



「え……、あ、うん。」



普段なら大丈夫なアルコールも微熱の残る身体には大丈夫なのかな?


でもせっかく拓実君が買って来てくれたものだから断るなんて嫌だった。



アタシは拓実君が喜ぶクリスマスを二人で過ごしたいんだから。

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