第81話

アタシって自分が思っていたよりも大胆だった。

何も知らないくせに拓実君を誘う。


でも拓実君が落ち着いているから事故みたいな事は起こらない。

彼が冷静でなければ……チカと同じようにされてるかもしれない。



アタシと拓実君は同じベッドで眠った。


彼は優しく抱き締めてくれた。


ただそっと、壊れ物を扱うみたいに……。


その気持ちがとても嬉しかった。


彼を好きになって良かったと思った。


「みおチャン、起きてる?」


「うん?」


アタシは静かに拓実君の心臓の音を聞いていた。



「……本当に、俺と付き合ってくれるの?」


そう言う拓実君の声が弱々しく感じた。



「アタシは……拓実君がいいの。」


「そう朝生にも言える?」


「……うん、言える。」


アタシはゆっくり彼を抱き締めた。

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