第80話

「え?」


アタシは拓実君の言っている意味がよく分からなかった。

何か変な事を言ってしまったのだろうか?


「俺初めて、女のコからベッドに誘われるの。」


は……はあ?


「た、拓実君待って?アタシはそんな意味で言ったんじゃ……。」


アタシが焦るように言うと彼は笑い出す。



「分かってるよ、ゴメン。ちょっと意地悪したくなったんだよ。」



もう、心臓に悪い……。


アタシの身体が汗ばむのを感じた。


「……でも、本当にそうしようかな?」


「またまた……」


「ううん、今度は本気。」


そう言って拓実君はソファーから降りた。

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