第67話

拓実君はカンが鋭いヒトだ。




「あれ、ビンゴだったの?」



アタシは返事が出来ないでいた。



「……やっと自分の気持ちに気付いた?」



拓実君はどういうつもりでそんな事を言うの?



「ああ、だからか恭子を出してくるのは俺が邪魔になったから。」



「違うよ!!」



思わずアタシは拓実君を見てしまった。



「なにが?」



彼は無表情だった。



「た、拓実君だって恭子とっ…」




「俺は恭子とはそういう関係じゃない、昨日だってただ泊めただけ。なに、責任は俺にあるの?」




「ちがっ……、」



「腹いせに朝生と寝たってこと?」



違う、全然違うのにっ!!



涙が頬をつたう。




「泣きたいのは……どっちなんだろうね。」




拓実君がそう呟いた。

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