チカはそう言ってアタシを自分の方に抱き寄せた。

アタシは何が起こっているのか理解出来なかった。

チカの言葉も、アタシを抱き締める手も真実なのかそうでないのか……。

「みおは……俺のものだよ。」

「え……、」

「こんなに守ってるのにどうして早瀬に惹かれてんの？」

守るって……アタシを？

「チ、チカお願い離して？」

アタシはチカの腕を解こうとするけど全然力に勝てなくてただもがいているだけだった。

「……そんなにアイツが好き？」

好きじゃないって言ったら嘘になる。

アタシは……、

チカよりも拓実君にココロ奪われていた。

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