第57話

「もう……帰ってよ。」



アタシは立ち上がる。



「みお待って。」



チカはアタシの腕を掴んだ。

その拍子にアタシは体勢を崩してまたソファーに座る形になる。

さっきと違ったのは……、

チカがとてもアタシに近い。



「は、離して。」


そう言うけどチカはアタシの手を離さなくて、



「チカ、」



チカはアタシから視線を逸らさないでいた。



「……みお、俺が好きなんじゃなかった?」



「!!」



なに、今更言ってるの?


アタシの動悸は自分では治める事が出来なかった。

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