アレルギー 5

第39話

恋をするとそう簡単には気持ちをコントロールなんて出来ない。



そう思うのはアタシだけなんだろうか。



「…朝生に忠告されたんじゃないの?」



拓実君は注文したコーヒーを飲んだ。


アタシは講義を終えると拓実君と郊外のカフェに入っていた。



「忠告っていうか…、口出ししてくる。自分は色んな女の子と遊んでるのに。」



そう言うと拓実君は薄く笑った。


「それは建前でしょ、朝生の。」



建前?



「どういう意味?」



「分からないの?簡単には教えてあげないよ。」



拓実君は頬杖をついてアタシを見る。



時々彼もチカみたいに艶っぽく魅せる時がある。

アタシはその視線に堪えられなくて俯いてしまう……。



「みおチャン、俺を好きなの?」



拓実君の言葉にアタシの身体は強張る。



……バレてた、



アタシのキモチ。

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