第36話

チカは無言で許可なくアタシのいるテーブルに座る。



「…今日来てたんだ?」



話す内容が分からないから適当にふってみた。



「みお、お前早瀬が好きなのか?」



チカはアタシの言葉なんて無視していきなり心を暴こうとする。



「飲み会の日も本当は部屋に早瀬が来てたんじゃないのか?」



…アタシはチカの顔が見れなかった。

悪い事はしてないつもりなんだけど。


どうして責められてるんだろう。




「みお、俺言っただろ?お前は付け込まれやすいって。早瀬が本気でお前を相手にするわけないだろう?」



チカの言葉が胸に突き刺さる。


それは、


チカから…第三者のヒトから拓実君がアタシに魔が差した、みたいなニュアンスで言われたから。



アタシはそれが少しショックで…もうチカではなくて、



心は拓実君に惹かれているんだと嫌でも分かってしまった。

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