第12話

「みおチャン、朝生もこの部屋に来てる?」



「チカ?来るよ、終電なくなったとか言ってさ。」



「そうなんだ。朝生はみおちゃんまで手出してるのか、節操ないな。」



アタシは拓実君の言葉にビックリする。



「拓実君!誤解だから!」



「え?」



拓実君は不思議そうにアタシの顔を見た。



「だからそのチカとは何にもないの。」



「え?嘘だろ?」



「ホントなの、チカは家に来てもただ寝るだけ。」



「信じられないな、朝生が女の子の部屋に来たらもうそれは……ごめん、」



拓実君は俯いた。



そうだよね、普通はアタシとチカに何か起こってもおかしくないよね。

男と女なんだもの、二人きりになったらそういう雰囲気になる場合もある。



だけど、


アタシとチカの場合はありえない。

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