第73話

「あっあの、滝川君!?花火っ・・・」



澄田さんはパニックっていた。



いや、それ以上にパニックってたのは俺だった。



校舎に入るとすぐ視聴覚室が目に入る。



「入って、」



「は?え、ここに?」



彼女はビックリしていた。


真っ暗な教室に彼女と俺だけ、



時々花火の光が入ってくるだけ



彼女の表情が見えない



「・・滝川君・・」




心細い声が聞こえる



でもそれが余計に見えないから



欲情的になる



そして、



「嫌いじゃないなら、脱いで。」



口に出してしまった



心に秘めた“好き”という


言葉より大きな欲情を。

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