第72話

「あ、リツ!ここ!」



直史の声が正面から聞こえた。


人波を通っていくと


澄田はなに会った。



「あ、こんばんは。滝川君、」



初めてこんな近くで声を聞いた。


・・・返事するの忘れた、

俺は彼女から視線を外す。


ヤバい、なんかざわつく



心臓の辺りがおかしい



隣にいる彼女が花火に照らされて、セミロングの髪が風で揺らぐ。



このコに俺は



忘れられたくない



どうする?今この連絡先を渡す?



そしたら花火見て終わる



もう少し



もう少しだけ彼女といたい


俺は彼女の手を引いた。



自分も気づかないうちに



そうしていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る