第62話

「あ、優子ちゃん。うん、うん・・・」




・・・彼女に浮かれてる。


バカみたいに



「リツ、帰りに普通科に寄って?優子ちゃんに渡すもんあるから。」




「一人で行けよ、なんで俺も?」




「優子ちゃんがお前も連れて来いって。普通科と特進て校舎離れてるだろ?滝川ファンが王子様を見たくて堪らないんだと。」




「王子様って・・・」




「あのな、お前のその非社交的をなんとかしろよ?そんなに格好良くて、頭も頗る良いのに・・・」




「性格が暗いって言いたいんだろ?」




「わかってるじゃん、自分のこと。無口も悪くないけどさ、お前関わりづらいんだよ。」




「なんで俺が他人のために社交的にならないといけないわけ?」




「・・・もういい。」



直史は次の授業の準備をしはじめる。



俺は人見知りが酷いし、


何より人間関係を形成するのが苦手だった


ひっそり学校生活だって送りたいのに



この変に好かれる容姿のせいで



うまくいかない

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