第51話

親友の結婚式、当日。



結局アタシと滝川君は“専属”契約を実行していなかった。


当たり前だけど。



「おー!はなちゃん久しぶりってか7年ぶり?」



「直史くん!」



秋本直史、本日準主役の新郎。


そしてアタシと滝川君のバッドキューピッドだ。



「まさか二人が結婚するなんてびっくりだよ!アタシなんて結婚どころか相手もいないのに!」



直史くんの表情が変わる。




「え・・?はなちゃん、リツと別れたの?」




「え?・・アタシと滝川君、始めから付き合ってないよ?」



「うっ嘘だろ?俺、はなちゃん達をあの日会わせたろ?途中で二人いなくなったじゃん!?

てかなんでダメ!?

リツははなちゃんが凄く好きだったのに。」



凄く?

滝川君が?

まさか・・・

ホントに好きな人と

いきなりセックスなんて

できる?


そういう人なんだ、彼は!


「おい、直史。ウロウロすんな、嫁さん探してたぞ。」



あ、滝川君だ。


やっぱり招待されてたんだ。



直史くんは何かを言いたそうだったけど、急いで控室に行ってしまった。

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