第15話

滝川君がじわりと体重をかけてくる。

アタシが眠っている間にシャワーを浴びたみたいでボディソープの香りが鼻を掠める。



「あの、アタシ・・シャワー浴びてない。」




「終わった後で、」


滝川君の声音が変わっていた。

彼はスイッチが入ったのか・・・。



大人になって十代の時より色気が増して、アタシなんて相手にしなくても会社には可愛い女子社員、大学に戻れば綺麗な看護師がいるのに・・・。



一体滝川君は何人相手にしないと気が済まないのだろうか。




そんな事を考えていると、滝川君はアタシを見ていた。



「俺が会社に来た時に、なんで働いてる事言わなかった?」




「え・・・?」




「どうして半年も知らないふりができた?」




どういう事だろう・・


申告しなければならない仲ではないはずなんだけど・・。


それよりも、そんな事を言う滝川君に驚いた。

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