第9話

高校生最後の年の文化祭の日。


アタシは親友とその彼氏で文化祭最終日の花火を見ていた。

すると親友の彼氏が友達を見つけ、アタシ達に紹介してくれた。



それが滝川君だった。



噂のとおり背が高く、凄くスタイルが良かった。

透き通るように肌が白く、色素の薄いナチュラルブラウンの髪が風になびいて、一瞬で心がわしづかみにされた。



あいさつをしたけど、返事はなかった。



彼は独特の雰囲気を持っていて、外見がパーフェクトでも女の子達は言葉を掛けにくく遠巻きに見ているだけだった。



なのにあの日、



運動場にアタシの親友と自分の友達を置いて、滝川君はアタシを引っ張って夜の校舎に入った。




「キライじゃないなら、脱いで。」



これが滝川君が初めてアタシに向けた言葉だった。

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