第76話

至極冷静に聖君にそう言ったカレンは、慌てふためくあたしを振り返る。


「担任の許可はおりたから大丈夫よ」


ニッコリと、怖いくらいの笑顔。


「へ?え、えぇ!?」


「さ、行こっ」


「お大事に~」


カレンの肩越しに、頬杖をついて口の端に煙草を加えたまま、いかにも愉しそうに笑みを浮かべた聖君が見えて。


もう片方の空いた手をヒラヒラとあたしたちに振っている。


ええぇぇぇ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る