第64話

ちょうど来ていた電車に乗り込んで、それからすぐにゆっくりと進み始めてようやく、ホッと溜め息を一つ吐いた。



車窓からの景色を流れるままぼんやりと見つめていたら。


「マナ?」


後ろからの声に振り返る。



「…カレン」


「やっぱりマナだ。おはよ!

同じ電車だったんだね。気づかなかった」



フフ、と朝らしく、爽やかに笑うカレンが、いまはとても眩しい。

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