第44話

「っ…」


絡む視線。


なにかを訴えるような、そんな瞳。


そのまま、流れるようにタクミに視線を合わせたコウキの瞳が、今度はギラギラと光る本能剥き出しのそれに変わった。



タクミとコウキ。


二人の間に流れる空気が一気に冷える。


ピリピリと全身に感じる空気が痛い。


どうしたらいいのか、わからないまま、オロオロとしてしまうあたしの肩に


「マナ、電車に遅れる。行こうか」


まるでコウキに見せつけるようにそう言ったタクミの腕が回された。

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