第43話
「……アイツ、鞄、二つ持ってる」
「え?」
そう言われて目を凝らせば、たしかにコウキが脇に挟んだ鞄は二つある。
「あれ、一つはマナの、とかだったり?…なんてな…」
疑問系の問いかけは、だけど多分確信に近い。
だから、タクミの表情がみるみるうちに歪んでいく。
「…須山…」
あたしたちとコウキの間にはまだ距離がある。
タクミの声が聞こえたわけじゃないはず。
だけど、まるでそれが聞こえたかのようにコウキがあたしたちに視線を向けた。
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