第42話

駅の出入り口に立って、周囲をキョロキョロと見渡しているのは


紛れもなく


「…コウ…キ」


会いたくて、だけど会いたくなかった、彼。



「……マナ、どうする?」



タクミはあたしを見ずにジッとコウキを見据えたまま、そう訊いてきた。


どうする?


どうしたいの?


会いたくないと思ったのもたしか。


それと同じくらい会いたいと思ったのもたしかなのに。

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