第6話

“え、い、いないよ―――実は……別れたばっかなんだ~”


ちょうどタクミと出会う少し前、三ヶ月付き合った中学時代の先輩と別れたばかりだった。


だからってわけじゃない。


なんでそんな話をしたのかもわかんない。


だけど、なんとなく期待してたんだと思う。




“じゃあさ?……俺と、付き合わない?”


もう、そのときにはタクミを好きだって思う気持ちを隠せなくなってたから。

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