第3章

第5話

あれから一夜が明けた。


「今日は、ミニライブの日ね。」


メンバー全員の気合いが入る。


「ノインさん、今日も宜しくお願いします!」


「…ノインって、呼んで良いから…。私も燐って呼んでるし…。」


いつも、クールな彼女からの急なデレ具合に燐の顔も思わず緩む。


「…ノイン、ありがとう。」


「今日は、燐の初舞台でもあるし、私達も頑張るから!」


そうして、野外ステージへ出ると、沢山のファンで会場は、埋め尽くされていた。


曲が流れ始め、Cosmo quartettoの4人が会場を熱気に包んでいく。


「ノイン!燐!もっと、会場のボルテージ上げちゃって!!」


一際、大きな歓声が上がる中、ノインと燐は、大人びた妖艶なダンスを見せた。


「何か、今日のノインちゃん色気がある様な…?」


「隣のダンサーさん、ノインと息ぴったりなんだけど、あの人、何者!?恋人かなぁ?」


観客達は、2人のダンスを観て、様々な憶測が飛び交っていた。


ライブの終盤、突如ツヴァイの動きが止まる。


彼女の目線の先には、長めの金髪に碧眼の男の姿があった。


「ツヴァイ?どうしたの?何かあった?」


ツヴァイの表情が曇った。


「…彼が居た…。」


「彼って…、まさか、幼馴染みのステラ?」


「でも、確か、彼って…」


「うん…。向こうの都合で、離れ離れになって、次に会ったら、敵軍の戦士になってた…。」


一体、今更何をしに来たのだろう?


そんな疑問が彼女達に残る。


「あの…全く話が見えないんですけど…。」


燐が、おずおずと話に入ってきた。


「そうね…。燐くんには、もしもの事もあるし、話すね…。」


ツヴァイは、一呼吸置いて話を続けた。

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