第20話

「おーい、りーん!!」


さっさと俺から離れた志郎は手をブンブン振りながら俺の後ろにいた鈴のところに駆け寄る。


「げっ、シロー」


志郎と鈴は家が隣同士の所謂幼なじみで、且つ、志郎は鈴を一人の女の子として、好き。


志郎の全身全霊の愛情表現は、鈴にはどうやら迷惑だけでしかないらしいけど。


志郎はそれでいいらしい。



片思いだって、報われないってわかってて、何度でも挑むんだ。

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