第18話

「……兄貴は…」


兄貴はいま、由希先輩と二人っきり。


未だ控え室から出てくる気配はない。


俺は控え室の方に視線を向けたまま、


「兄貴はあとから由希先輩と来るだろ」


そう言って今度こそ足を前に進めた。



「あ、待ってよ~凌汰ー」



後ろから鈴の声が追っかけてくる。


未来がついてきてるかどうかわからなかったけど、兄貴を待つことはないだろうから、きっと同じように後ろについてきてるはず。

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