第10話

──時々。いつも、じゃない。だけど、時々。


凌汰の悠哉先輩と由希先輩を見つめる瞳に、わたしと同じ翳りを感じてしまうことがある。



「そ、そんなことないよ!!1年で試合に、それも大事な決勝戦に出れたのって凄いことだよ!

自慢しなきゃッ」


そんな凌汰に鈴が必死になって訴えている。


まあ、たしかに、悠哉先輩の弟だけあって、実力や才能は悠哉先輩にも劣らないと思う。


悠哉先輩の方が経験で、勝る。


将来的に悠哉先輩のあとを継ぐ次代のエースは凌汰しかいない。

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