第9話

鈴の凌汰への気持ちは、誰が見てもわかるくらいなのに、なぜかその気持ちは当の本人には1ミリたりと届いてない。


びっくりするくらい超ウルトラ鈍感男だ。


「優勝っつっても、俺ら1年はちょっとしか出れてねぇしな。

まあ、ほとんどが兄貴の力だよな……。

だから、なんか実感わかねぇや」



そう言って悠哉先輩の方に視線を向ける。


悠哉先輩は由希先輩と顔を寄せ合って仲良さそうになにかを話していた。


もうすでにそんな二人にかまう人もいない。


二人だけの、世界が出来上がっていた。

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