第8話
「凌汰、お疲れ様」
そう声をかけながらわたしはちらりと隣の鈴を盗み見る。
鈴は嬉々とした表情で凌汰を見上げ、熱い視線を送っていた。
「おう。応援に来てくれてありがとな」
凌汰がそう言ってニカッと笑うと、鈴はちょっと俯き加減にもじもじしながら「優勝おめでとう」と呟いた。
その横顔はけっこう分かりやすいぐらいに朱に染まってる。
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