第7話

それはまるで誰かに見せつけているかのように。



そう思えるのは、わたしが悠哉先輩を好きだからだろうか。



わたしが───





「未来、鈴」


「あ!凌汰!!」


呼ばれて向けた視線の先にいたのは、伸ばし始めたばかりの前髪をちょっと邪魔そうに掻きあげながら駆け寄ってくる、名倉 凌汰(ナグラ リョウタ)



悠哉先輩の弟で、わたしや鈴と同じ高1で、同じクラスでもあったりする。

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