第6話

悠哉先輩は、極上の笑顔を由希先輩に向けて、手を伸ばす。


さっきわたしに触れたばかりの、その手を。



「お疲れ様。優勝おめでとう」


「ああ」


その手が由希先輩の頭を撫でて引き寄せた。


周りからの冷やかしも気にしないで、悠哉先輩は由希先輩を自分の胸の中に収める。


「っ、ゆ、悠哉!!も、もう。みんなが見てる!!」


由希先輩が慌ててその腕の中でもがくけど、悠哉先輩は決してその手を離さない。

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