第24章

第34話

彼は、私にりんご飴をくれた。


りんごの優しい甘さに、心が休まる。


「少し、落ち着きましたか…?」


「はい…。あの…さっきは、ありがとうございました…私、酷い事したのに…」


「俺、あの時、心配になって…。名月さんに何かあったらと思ったら、怖くて堪らなかったんです」


「え…?」


彼の言葉に私は、顔を上げた。


「俺…名月さんの事が好きです…!

告白されたあの日から…気付けば、ずっとあなたの事を考えていました…付き合って下さい!」


彼の真剣な眼差しが、私の心を射抜く…。


「はい…。宜しくお願いします…!」


私は、嬉しさの余り涙が零れた。


その涙を彼が優しく指で拭った…。


そして、ゆっくりと吸い寄せられる様に熱く口付けられた…。


それは、甘い甘いりんご味だった…。

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