第22章

第29話

「社長、おはようございます」


副社長の雪見 北斗が出社し、プライベートルームの扉を開けると、艶めかしい二人の姿が視界に入った。


「ッ…!!し、失礼しました…!!」


北斗は、慌てて扉を閉めた。


『大樹のヤツ…いつの間に…!

この間まで、まだ言わないとか言ってたのに…あぁ、暑い…!!』


北斗は、顔を紅潮させながら外へ向かおうとした、その時…


「ドンッ!!」


「キャァ…!」


誰かにぶつかってしまった…。


「いたた…!」


「…申し訳あり…名月さん!?申し訳ありません!お怪我はないですか!?」


北斗は、未希に手を差し出し、彼女も北斗の手を借りて立ち上がった。


「私は大丈夫ですよ!…それにしても、どうされたんですか?雪見副社長、顔赤いですよ?…熱あるんじゃないですか?」


未希の手が、北斗の額にそっと触れる…。


「っ!!…いや、それはない…けど…刺激物を見てしまって…」


「刺激…ですか…?」


未希は、少し考える。


「社長と秋映さんが、くっ付いたとか…?」


「な、何故それを…!?」


北斗は、素っ頓狂な声を上げた。


「私、秋映さんの気持ち、知ってましたし…と言うか…雪見副社長って、もっとクールで近寄り難い方かと思っていたから、次々表情が変わって、何だか意外です!

もっと、好きになっちゃいました…♡」


未希が頬を赤らめた。


「あれは…仕事用ですから…って、え…?」




あらあら…?こちらでも、恋の予感…?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る