第6章

第8話

私は、面接に来て「社長」の後ろを歩いている。


『こうして見ると、紅林社長って…背が高くて、姿勢も良くて…カッコイイな…眼鏡姿も似合ってるし…』


そんな考え事をしていたら…


「秋映さん、着きましたよ」


彼の声に私は、ハッとした。


そして、私が通された場所は応接室だった。


「こちらの椅子にお掛け下さい」


「はい」


「それでは、氏名と生年月日をお願いします」


「秋映 りんごと申します。20XX年11月5日生まれです」


「今回、うちに応募してくれた理由は?私が誘ったのもありますが…」


「…小さい頃、迷子になって泣いている私に、りんご飴をくれた人が居て…そのりんご飴を食べた時、笑顔になれたからです…それは、魔法の様でした…私も、食べた人が笑顔になれる、そんな商品開発に携わってみたいと思い、応募させて頂きました」


紅林社長の目が見開く。


私は一息置き、言葉を続けた。


「そして、沢山の経験を積み、成長していきたいです」


面接は、滞りなく進んでいった。


「面接は、これで以上です。お疲れ様でした」


「ありがとうございました」


社長にお礼を伝えた直後だった。


「…さっきの志望動機、嬉しかったです」


彼が真っ直ぐ私の目を見た。


「えっ?」


「秋映 りんごさん、採用です。これから、宜しくお願いしますね」


「はい!!」


『…って、えぇ〜ッ!?即採用!?嬉しい!!』


私に一体、どんな未来が待っているのだろう…?


期待を膨らませながら、りんごは帰宅した…。

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