第5章

第7話

リクルートスーツを着て、私は「Jewel Apple」の本社へ向かった。


『もう直ぐ着くかな…』


私は、ピタリと足を止めた。


「…大きい…!!」


私は、目の前に聳え立つ「Jewel Apple」の本社ビルに圧倒されていた。


緊張で思わず掌に「人」の文字を書いて飲み込んだ。


その時、後ろから呼び止められた。


「秋映さん?」


聞き馴染みのある優しい「彼」の声だ。


「く、紅林社長!?」


思わず声がひっくり返ってしまった。


『は、恥ずかしい…』


私は、恥ずかしさで身体から火が出そうだった。


「多分、緊張した状態で来るかなぁ?って思っていたので、これでも食べてリラックスして下さいね」


彼から手渡されたのは、一口サイズにカットされたりんご飴だった。


『…どうして彼は、よく気が付くのだろう?』


そう思っていると、彼から思わぬ一言が飛び出した。


「…今日の面接は、私が担当ですから」


大樹は、にこりと微笑んでいる。


その一方、……私の思考回路は、停止した。


『え?…今なんて?社長自ら、面接?それが一番のドキドキポイントなんですけど…!!』


私の面接、どうなる!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る