第26話
パーーーーン!!!
「きゃあ!!」
女子の悲鳴が上がった。
御影了は顔を一発殴られ、その場でよろける。
よく見てみるとその美しい顔の口元が切れて、少々血が滲んでいるように見える。
「あーあーキレイな顔が台無しだなぁ」
ハッハと笑うグループの男子達。
ざまあみろと言わんばかりに楽しげに笑い声を上げる。
「もう一発いっときますか?!」
いけない。何とかして止めなきゃと思った時だった。
「…フッ」
御影了は薄ら笑いを浮かべながら切れた口元から出た血を手で拭い、それを舌で舐めてみせた。そして、
「もう一発、やってみろよ」
余裕の表情で、男子グループに詰め寄った。
その目の奥はどこまでも深く暗い。
恐ろしい程の漆黒に包まれたオーラは、男子達を圧倒させた。
「コ、コイツ殴られて笑ってやがる…」
取り巻いていた男子達の表情が強張り、一歩ずつ後退りしていく。そして、そのうちの1人がリーダーの男子の肩を引き逃げ腰でこう言った。
「おい、もうやめようぜ!コイツの目、イカれてる…!!」
「けどっ-----------!」
リーダーの男子も慄きながらもみんなの手前、引くに引けない様子だ。そこでさらに御影了が詰め寄って距離を縮めていく。
「どうしたんだよ?やらねぇのか」
その時だった。
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