第24話
数日も経たないうちに、御影了の噂は瞬く間に学校中に広がり、そのイケメンぶりに他の学年からも女子生徒が偵察に来るほどだった。
「ねぇねぇ御影くん、LINE教えて!」
「俺、LINEとかしねぇんだ」
断られた女子に入れ替わるようにしてまた別の女子がすかさず声をかける。
「じゃあ、放課後カラオケ行かない?御影くん歌うまそう!」
「歌、嫌いなんだよ」
昼休み、1人、また1人と脱落していく様を見ながら、お弁当をつつくわたし。どうしてそうまでして誘うのだろうと不思議に思いながら箸を進める。
「あーあ。またダメだったか」
愛里はどこか面白そうにそれを見物していた。
「愛里、やめなよ」
「だってー、あそこまで有無も言わさず撃沈だと逆に面白くない?」
「不謹慎」
わたしのお叱りに愛里は「ひひっ」と笑うとこんなことを言ってみせた。
「でも…」
「でも?」
「あの瞳に捕らえられたら逃げられないだろうなー」
そう----------
彼の瞳に捕まれば…
もう、逃げる事は出来なかった--------
図書室での一件を思い出しながらぼんやりとしていると今度はこんな声が聞こえてきた。
「いいよなぁーイケメンさんは。何もしなくても女が寄ってきて」
クラスの男子はそんな彼に、羨ましさ半分憎たらしさ半分らしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。