第15話
「…っ」
わたしは驚いて、息をするのも忘れたままその光景を見ていた。
窓の外では轟々と唸る風が稲妻を呼び起こしている。光る雷鳴が、妖しくゆらめく二人の影を映し出す。それはまるで、その行為を咎めているかのようで。
すると、
「…うっ、…っ、うっ」
水橋先輩…泣いてる…?
翳された男の手の隙間から涙が溢れ落ちていくのが見える。
ぽろぽろ、ぽろぽろと。
わたしは咄嗟に助けた方がいいのかと立ちあがろうとした時----------
ズキっ!!
今度は鋭い痛みが右足に走る。
先程とは比べものにならない。骨を突き刺すような、今まで感じたことのない痛み。
何なの、これ-------
わたしは結局立つ事も儘ならず、あまりの痛みに呼吸も乱れ、水橋先輩を助ける事も出来ない。
その間もくちづけは交わされ、わたしは本棚の影に隠れながら痛みが治る待つしかなかった。その時、
-------ドンっ!!ゴロゴロっっっ!!!!
「きゃっ!!」
大きな閃光と共に大地が割れるような音が轟いた。
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