第9話

お母さんに、心配をかけちゃ行けない。





幼い頃からずっとそう思ってきた。

看護師という人の命を預かる仕事。

その仕事をしているお母さんを子供ながらに誇りに思っていた。それは今でも変わらない。

だけどその反面、命と向き合う覚悟を持って働く責任と重圧に真正面からぶつかっているんだと思うと、自分には出来ないと思った。





わたしはそんなに強くない。





ただでさえ夜勤があったり、家に帰れば家事があったりの忙しない毎日。わたしも手伝いはするけど、役に立てていないような気がして。

    

だからせめて、いい子でいて迷惑をかけないようにする事が親孝行だと思っている。

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