明るい朝日

第10話

「今日も 朔夜くんと晴真くん来るから」

夜永には申し訳ないけれど 僕は朔夜さんが

苦手だ。大人っぽくて カッコよくて 優しくて

頼れる人で ものすごく夜永と仲良くて

僕がダメダメなのを思い知らされて

毎回恥ずかしながら嫉妬している。

「わかりました、夜ご飯何がいいですか?」

でも今回は晴真さんと内緒で作戦を練った

事の発端は数日前 晴真さんに僕だけ

呼び出された。「あさひくん 久しぶり」

ファミレスで 一緒に食事をしようと誘われ

来た「ねぇ、あさひくん 突然なんだけどさ」

メニューを見ながら 晴真さんに言われた。

「なんか、恋人に見せない顔があるのって

悔しくない?最近 朔夜と夜永ちゃん

仲良いじゃん?それが何か悔しくてさ」

ものすごくわかる別に朔夜さんが悪いとか

じゃないけど ものすごく悔しい

「それでさ、今日 朔夜にあさひくんと

食べてくるわって言ったんだけど 何て

言われたと思う?」大きなため息をつきながら

「あっ、OK 行ってらっしゃい だって!

何か こうあるだろ!って思ったんだけど

腹たってそのまま出てきちゃった」

そういえば 夜永も今日「晴真くんとご飯?

行ってらっしゃい 楽しんできてね あっでも

遅くなるなら 連絡ちょうだい 私弁当

買ってくるし」そうだけど そうじゃないという

返答をされた それが少しなんだか寂しかった

「それでさ、多分今週末も夜永家で夜ご飯

食べることになると思うんだよね。だから

その時に嫉妬させよう」そう言われその日は

ずっと作戦を練ってた。

何回も何回も確認したし多分大丈夫なはず

インターフォンが鳴り扉を開けに行く

「朔夜さん晴真さんいらっしゃい」

まずプラン1 服をオソロにしてみる

「お邪魔しますって 今日俺とあさひくん

服オソロじゃん やっぱ 俺ら仲良しだね〜」

朔夜さんの方を見たが「本当だ 晴真あさひくんとめっちゃ 仲良いじゃん 俺もあさひくんと

仲良くなりたいのに」効果あんまりなかった

そのまま ご飯を食べて プラン2に実行

さりげなく 晴真さんの隣に座ってみる

「あれ あさひ晴真くんと仲良いね 仲良さそうで安心した」効果全くなかった

プラン3 朔夜さんと夜永を酔わせてみる

「あっ、このお酒美味しぃ〜」

効果全くなかった

数十分後 ジュースかと思って飲んでたのが

まさかのお酒だということが発覚して酔った

「あさひくん大丈夫?」頭がふわふわする

「はるましゃん……僕間違って おしゃけ

飲んじゃいました〜」眠いし頭ふわふわするし

何か わかんないけど 泣きそう。

「はるましゃん〜僕 カッコよくなりたいです

どうやったらなれますか?」

朔夜さんみたいにカッコよくて優しくて

夜永に頼ってもらえる人になりたい。

「えぇ〜?あさひくんもう既にかっこいいからこれ以上 かっこよくなられたら 困るんだけど」

カッコよくなんてない 朔夜さんみたいな

大人の余裕とか大人っぽさとか器用さとか

ない。「はるましゃん 優しぃ〜でも僕

全く かっこよくなんてないんですよぉ」

涙が出てくるのはきっとお酒を飲んでるせいだ

本当の僕は嫉妬して嫉妬してほしい もっと

こっちを見てほしいと思ってるわがままな子供みたいな奴。

「あさひ、大丈夫だよぉ あさひは存在してる

だけでカッコよくて可愛いんだから。

私が 保証する」ニカッと笑う 夜永も多分

酔ってるのだろうけど それでも嬉しかった

「だからぁ こっち来てギューってして?

流石にずっと 晴真くんとくっついてたら

寂しい」上目遣いで少し拗ねたような表情が

可愛い「沢山ギューってします!」夜永の隣に居る 朔夜さんは「めっちゃわかる。俺の

晴真も存在してるだけで 可愛い」と納得してる

ようだった後日 晴真さんから あの時初めて

やっぱり血繋がってるんだなと思ったと

メールが来た

でも結果オーライかな?

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