第7話
「あさひ!」身体中からパチパチと音が鳴る
怒りたかった なんで雨なのに外に出たの!って
怒りたかったけど 「……マスター、探しましたよ」悲しそうに 笑うあさひを怒ることなんて
できなかった。このまま あさひは燃えて消えて
しまうのだろうか 恐怖で体が動かない
「……マスター?」今 私 怖いんだ あさひが
消えてしまうことが怖いんだ
「マスター、危ないです」あさひに
止められたけど私はギュッと抱きしめた
「……マスター、僕 マスターが好きなんです」
神様 お願いします あさひを助けてください。
現実から目を背けた現実なんてと言いながら
本当は死んでもいいとさえ思っていた
でも、あさひと暮らして幸せでその幸せを
当たり前と思ってしまった。
「……私も、私も あさひが好きだから
消えないで そばにいて!」
困ったような顔であさひは笑って 倒れた
あさひを抱っこして帰る 連れて帰ったら
燃えるかもしれないのに
私の布団に寝かせ 頭を撫でる元々冷たい体が
氷のように冷たくなっている
これから 私はどうするんだろう?あさひが
居なくなるなんて 考えたこともなかったな
あさひ 今日は首輪つけてなかった
首輪をつけてるところに1番大事な機械が
ついていて そこを濡らしたら壊れる
何度も言い聞かせたつもりだったのにな
「夜永のことが好き 好きって言葉で
表せれないくらい好き……夜永と同じ景色
見たかったなぁ」
頭を撫でられてる気がした所で目が覚めた
どうやら寝ていたみたいだ
もう いつの間にか朝になっていた
「……マスター、足痺れて痛いです」
いつもの聞きなれた声がした
「あさひ!あさひ大丈夫?痛いところない?」
また 怒ろうとしてたのに 怒れなかった
「えーっと 首が痛いのと 足が痛いの以外は
全然……あれ?マスター!僕痛覚があります!」
ぱあっと笑顔になるあさひ「首痛いの?って
待って これ病院??」あさひの首から背中に
かけて血が出ていた「マスター 凄いです!
僕 マスターと同じになれました」ギュッと
握るあさひの手は温かい
「とりあえず 動かないで 傷は深くなさそうだし
ガーゼと包帯巻くよ 」そう言って消毒し
巻いてく「痛いの、痛いの 飛んでいけ」
私はこんなに焦って泣いて必死だったのに
あさひはものすごく嬉しそうだった。
「マスター、僕マスターのこと名前で呼んで
いいですか?」なんでそんなこと
聞くんだろう?と思ったけれど私がいいよと
言うと嬉しそうに笑った
「夜永、夜永……呼べるようになりした!」
その呼び方は夢の中で私を呼んでいた人の声と
一緒だった。
その日はもうヘトヘトで喜ぶあさひと反対に
私は疲れて眠ってしまった。
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