第6話
[失敗作]それがずっと僕の名前だと思ってた
全部ダメだった、他のロボットができることが
僕にはできなかったみんながプロの料理を
作るのに僕はできない。
買われなかったら溶かされて作り直される
そうしたら僕というものはどこへ行くんだろう
まぁ、でも 僕が僕じゃなくなったらきっと
全部上手くいくのかな?
そう思っていた時女性が僕を買った
僕の下手な料理を美味しいと褒めてくれた
いつも 僕のことを考えてくれる。
空っぽだったものが満たされるような感覚
その人の笑顔を見ると何も分からない僕も
もしかしたら、これが幸せなんだろうなと
思った。僕はダメダメだからその人が
いなくなるだけで空っぽに戻ったようで
怖かった 他の人と一緒にいるのを見てると
苦しい 僕を見てほしい 全て肯定しなければ
いけないのに 肯定できなかった。
今日 その人はうそをついた2回
2回とも僕のせい
でも 僕も毎日嘘をついている
「アメ、ツヨクナッテキタ……」
何も考えてなかった 何も考えてなくて
気づいたら傘を持って外を走っていた。
好きこんな単純な言葉で表せれないほど好き
僕はあなたの笑ってる顔が好き 呆れててもいい
ただ僕を思って笑ってる顔が好き
僕は怯えてるあなたが嫌い 怯えてる理由は
教えてくれないし 怯えてるあなたを見ると
僕に何も出来ないのが悔しい あなたを
守りたいのに 守らせてくれない。
「あさひ!」色々考えてた僕は正直言って
あなたに嫌われるのが怖いです
あなたに捨てられてしまうのが怖いです
いつも部屋に僕しかいない時考えて
しまうんです。僕は何も出来ないしあなたを
守る強さなんてない それに 僕はただの機械
もし 僕が人間だったとしてもきっと僕は
選ばれないでしょう でもなりたかったんです。
人になって あなたの隣を歩いてみたかった
あなたといろんな所へ行ってみたかった
あなたがいるならそれだけで充分なのに
欲張ってしまった
もう 人になることは諦めるから せめて
僕がこのまま壊れて消えるまで
隣にいてくれませんか?
僕に幸せを教えてくれた人 僕に夢を
与えてくれた人
「……マスター、探しましたよ」
お願いだから 少しだけ時間をくれませんか?
きっと 雨に濡れたから すぐ壊れてしまうと
思うんです。
あなたは僕に色んなことを教えてくれました
あなたの笑顔は あさひのように 明るく
空っぽな僕の心を照らしてくれました。
短い時間でしたが ものすごく幸せでした
でも、もし叶うなら もう少し 一緒に居たかった
もう少し一緒にいて また何気ない日を
繰り返したかった 朝美味しそうにご飯を
食べてるあなた いつも 頑張りすぎて倒れそうなあなた 大丈夫だと嘘をつくあなた
あなたの偽りの笑顔も本当の笑顔も僕にとっては宝物です。
言いたいこと沢山あるのに いざとなったら
何も出てこない でも目の前にあなたがいる
これだけで充分かもしれません
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