第4話
今までずっと 闇に追いかけられる夢を見て
たのに久しぶりに違う夢を見た。
「夜永」誰かに呼ばれて周りを見るが
誰もいない。「僕は、夜永のことが……」
そこで夢は途切れてしまった。
「マスター、オハヨウゴザイマス」いつもの
あさひの声「マスター、ネガイガカナウノハ、イツデスカ?」とても七夕が楽しみらしく
昨日からはしゃいでいる。「7月7日かな。」
あさひはまだじゃん!というような顔をして
「ハヤク、ネガイ カナエテホシイノニ」
少し拗ねたような顔をしたので思わず笑って
しまった。「あっという間に来るよ。
それに他のところだったら8月の所もあるって
言うし」ふふっと笑いながら仕事の準備をする
「キョウモ、オシゴト デスカ?」
本当は昨日で私の仕事は片付いたんだけど
体調不良の人が出たらしく 代わりに私が
その人の仕事を片付けなければならない。
「ちょっと色々あってね」と曖昧な返答をし
家を出た。
多分残業はなしだろうと思ったけれど
残業 そりゃ 体調不良だったら 仕事できないかも
しれないけど こんな量残す?と思うぐらいの量
しかも期限ほとんど 今週末
ようやく終わった〜と思う頃には朝日が窓から
見えた時計を見ると午前4時
今から帰って1時間寝て出勤するか このまま
缶コーヒー買ってしのぐか……。
お腹空いた、帰りたい、あさひ大丈夫かな?
そう思っても 疲れすぎて帰る気力さえない。
そのままフラフラしながら今日の仕事を
こなすことに「夜永さん大丈夫?」
誰だろう?とぼーっとした頭で上を見る
「……朔夜(さくや)先輩?幻覚が見える」
朔夜先輩は私が入社してからの3年間面倒
見てくれた先輩だ優しくて頼りになるそして
めっちゃ仕事できる上にイケメンで将来有望
なためモテる……昔からそういう人だこの人は
「あれ?でも地方に転勤してませんでした?」
朔夜先輩はあぁと苦笑しながら
「今日からこっちに帰ってきてるんだ。でも
やっぱこっちブラックすぎ 地方に戻りたい」
そう冗談言いながらも仕事を手伝ってくれ
なんと祝初定時帰宅「せっかく定時帰宅だし
どっか飲みに行かない?」そういえば
朔夜先輩と飲みに行ったことないな
それに 朔夜先輩に今日助けてもらったし
私が行くか行かないか悩んでると急に腕を
引っ張られた「……ナンデ、カエッテキテ
クレナカッタンデスカ?」少し拗ねたような
言い方をしていて申し訳なさよりも
可愛さの方が勝ってしまった。
「ごめんね、帰れなかったんだ 気づいたら
朝日が出てて」私がそう言うとあさひは
じーっと朔夜先輩を睨んだ
「こんにちは、俺は夜永さんの先輩の朔夜
だよ」朔夜先輩はあさひをみながら「それでもって 夜永のいとこ 心配しなくても大丈夫だよ」と愉快そうに笑った「それにしても夜永さんに
こんなイケメンな彼氏がいるなんて」
彼氏ではないけれど傍から見たら
そう見えるのか。朔夜先輩の父と私の母が
姉弟で昔から一緒に遊んでいた 本当の兄妹
みたいで私も兄だと思って接していた。
でも社会人になって私より上にいて人間関係も
上手くいっている 朔夜先輩を見ると自分が
惨めになり 他人だと思うことで
心を落ち着かせようとしてたそれに
気づいたのか 朔夜先輩も私のことを
さん付けして呼ぶようになった。
「じゃあ 夜永さんはもう帰らないとだね
彼氏さんが迎えに来てくれたみたいだし。
それに 俺は恋人に会う口実が欲しかっただけ
だしね。」ふふっと笑う朔夜先輩
「そんで、朔夜は俺に謝るの気まずくて
夜永ちゃん巻き込んだの?」
朔夜先輩が恐る恐る後ろを見る
「晴真(はるま)くん 久しぶり」晴真くんは
朔夜先輩の恋人で幼なじみ 昔から私も
朔夜先輩の家に遊びに行ってた時遊んで
もらった「夜永ちゃん久しぶり〜
元気にしてた?ちょうど俺今仕事終わった
所でさ 店から出たら 朔夜と夜永ちゃんが
話してたから来ちゃった。まぁ、でも彼氏さん待たせるのもあれだよね じゃあたまに連絡
ちょうだいね 心配するから そんで朔夜は
帰ってから覚悟しておいてよ」
そう言って晴真くんは朔夜先輩を連れて帰った
「マスター、カエリマショ」あさひはさらに
不貞腐れてしまったようだ
「ごめん、ごめん。朔夜先輩も地方に
行ってたし 外食することないから晴真くん
とも久しぶりに会って なんだか楽しく
なっちゃって。」あさひの手を握るとそのまま
そっぽを向いてしまった 流石に知らない
人ばかりで飽きてしまったのだろう。
「早く帰って 沢山お話し しようね。2人で」
私がそう言うと 少し機嫌が治ったのか
コクっと頷いた。
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