第3話
本当は明日も有給のはずだったのに急な仕事が
入り 仕事に行くことにまぁ でも多分残業は
しないだろう。「マスター、キョウオヤスミ
ジャナカッタンデスカ?」お休みの
はずだったんだけどねと事情を説明すると
あさひは「マスター、イッテラッシャイ」と
元気よく送り出してくれた。
案の定 残業はせずに済んだ けれどピンチ。
「あれ〜もしかして夜永?久しぶり」
あの時の私をいじめてたグループの1人
見てるだけで吐きそう 胃が痛い 倒れそう
逃げ出したい そんな考えばかり頭の中で
ぐるぐる回ってる あともう少しで家なのに
「夜永〜覚えてる? 今ちょーっとお金に
困っててさ」この子といるから見られてる
変に目立ってる 視線が痛い 「人違いです」
ようやく出た言葉「はぁ?そんなわけなくね」
でも逆に相手を怒らせてしまった。
どうしよう、逃げれない 具合悪すぎて倒れそう
「ヤエ、オマタセ」後ろから知っている
声がした。「はぁ?夜永のくせにこんな
イケメンな彼氏いんの?」急に痛いのが
無くなった「あさひ……迎えに来てくれたの?」
私の前に立ち「コレカラ、ボクタチ デート
ナノデ。」そう にっこり微笑んで 私の手を
引っ張ってその場を離れた。
「マスター、ダイジョウブ デスカ?」
あさひ 私のことマスター以外で呼ばないように
なってるんじゃなかったっけ?でも 確かに
名前を呼んでいた
「イマ、チョウド カイモノオワッテ
カエッテキタンデス」エコバックを見せながら
あさひが言った「あさひ、ありがとう」
きっとあさひが来なかったら私は
しゃがみこんで何もできなかった。
「マスター、コレ キョウ スーパーデ
モラッタンデス」そう言って見せられたのは
短冊だった もうそんな時期なのか
なんか あんなに苦痛の日々があさひのおかげで
和らぎ あっという間に感じる。
「これは、短冊って言って お願いごとを
書くと 織姫と彦星が叶えてくれるの。
なんか 色々噂されてるけど あさひが
叶えて欲しいお願いごとを書けばいいと
思うよ」短冊なんて見たのも久しぶりだ
いつの間にかどうせ叶わないのだからと
神頼みとか諦めてた。
「そういえば、ショッピングモールに七夕用のグッズ色々売ってたし 見に行こうかな」
あさひが興味持ってくれたなら実際に
飾ったりして雰囲気だけでも楽しんで欲しい。
「マスター、ボクモ イキタイデス」
あさひを連れて行ってあげたいけれど
途中で充電切れたりしないだろうか?
「連れて行ってあげたいけど、大丈夫?」
あさひ は少し悩んでいたが どうしても行きたいらしく「イッタン ニモツ オイテジュウデンシタラ イケマス」とお願いしてきたので 家に帰って
充電することに。 充電している時の顔はまるで
眠っているかのようで ものすごく綺麗な
顔だなと眺めていた
初めてショッピングモールに来たあさひは
すごく楽しそうだけれど お客さんがあさひを
何度も見るため 視線が怖い
でもとりあえず 欲しいものは買えたし
あさひの充電はもったし なんとなった。
家に帰り短冊を書き笹の葉につける
あさひの短冊は[マスターが元気で
いられますように]と書いてあった。
でももう1つは見せたくないのか隠していた
私は[あさひの願いが叶いますように]と
書いた 叶うかは分からないけど 多分
優しい織姫と彦星なら あさひの願い事を
叶えてくれるだろうと思った。
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