第2章

第2話

満月の夜、私達は互いを求める様に深い口付けをした。


「…ん…ふッ…好き、愛してる…。」


二人が唇を離すと、銀糸がゆっくりと伝って切れた。


「私も…愛してる…萌架…。その蕩けた表情も、大変美しゅうございます…。」


「ありがと…。」


萌架は、恥じらう表情をしていた。


『私は後どれ位、理性を保てるのでしょう…。』


萌架の言葉で、それは呆気なく切れていく。


「…私…シャワー浴びてくる…。」


パタンと浴室のドアが閉められ、萌架が浴びているシャワー音だけが部屋に響く。


『落ち着かない…。』


今までは、何とも思わなかったシャワー音が…萌架がシャワーを浴びていると思うだけで、いつもの彼が持つ冷静さが乱されていく…。


ー数十分後ー


萌架が浴室から出てくると、ピンクと薄紫のレースやリボンが付いた綺麗なネグリジェを着ていた。


首元や胸元が大きく開いたネグリジェを着た彼女は、いつもよりも、だいぶ雰囲気が大人びて見える。


「とても、良くお似合いです…。」


理性をいつまで保てるか、自信がないルークの言葉は辿々しかった。


「本当に…?」


いつもと様子が違うルークに、萌架は首を傾げた。


萌架が首を傾げると、そこからルークに喰まれた時の傷が残っていた。


「その傷…痛くないですか…?」


「コレ?大丈夫よ…この跡も、愛の証だから…ね?」


「萌架…。」


ルークは、萌架の傷跡に唇を落とした。


「…私の理性も、そろそろ限界のようです…。」


ルークの深紅に輝く瞳が、激情を燃やす様に私を熱く見つめた。

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